第15回卒業式 送辞

公開日 2023年03月01日(Wed)

送  辞

 頬を伝わる風が和らぎ,日ごとに春めいてくる今日この良き日に,徳之島高校を旅立たれる卒業生の皆様,ご卒業おめでとうございます。在校生一同,心よりお祝い申し上げます。

 今,先輩方はたくさんの思い出が詰まった徳之島高校での三年間を思い出すとともに,新生活への夢や希望を胸に卒業証書を手にされたことと思います。二年前,緊張や不安でいっぱいの私たちをあたたかく迎え入れてくださり,学校生活や部活動でたくさんのことを教えてくださいました。先輩方は,学校生活のあらゆる面で私たちの手本となる頼もしい存在でした。先輩方が1年生の頃,新型コロナウイルス感染症拡大のために入学してすぐに休校となり,また,2年生になってからも文化祭や体育大会,更には修学旅行までもが例年通り行われない等,思い描いていた高校生活ではなかったかもしれません。そんな状況下でも,先輩方は率先して行事を工夫し,盛り上げ,互いに力を合わせることで多くのことを成し遂げられました。また,部活動を引退されると,自分たちの進路実現に向けて気持ちを切り替え,日々勉学に励む前向きな姿を私たちに示してくださいました。先輩方の背中は,私たちの目標でした。

 特に私は,文化祭と体育大会が印象に残っています。文化祭では,先輩方がクラス一丸となって作り上げた,劇を披露してくださいました。先輩方の,皆を楽しませようと役になり切っている姿,そしてダンスを踊る時の明るく楽しそうな表情はとても輝いており,私たちの目に焼き付けられました。どのクラスの劇も,先輩方の青春が詰まった素敵な作品でした。

 また,体育大会では,すべての競技に全力で取り組み,頑張る仲間を応援する先輩がたくさんいました。そのため,私たち1,2年生は,3年生に勝って優勝したいという意識が高まりました。競技を妥協せず懸命に取り組む姿はもちろんですが,会場設営や片付けでも率先して動く姿は,私たちの模範となるものでした。私が体育大会直前のハプニングで靭帯を損傷してしまった時には,3年生の先輩方の多くが「大丈夫?」,「次があるから」と落ち込んでいた私を慰めてくださり,先輩方の優しさに私はとても救われました。

 そして,ともに互いを高め合った部活動では,部の中心として,どうすれば部活動がより良いものになるだろうか,部員が一体となって活動できるか等を常に考えて行動されていました。私たちが困ったときには相談に乗ってくださったり,助言をくださったりと,部全体,そして部員一人ひとりのことを考えながら行動されていたのを今でも鮮明に覚えています。日々努力を積み重ね,県大会や全国大会で徳之島高校の名を背負って共に戦って来た先輩方。その姿を私たちはいつも側で見て来ました。そんな先輩方に少しでも近づけるよう,私たちはこれからも日々の練習に懸命に取り組んでいきます。また,部活動以外の場でも部活動がない日や,一緒に行った遠征先での自由時間等,今振り返ると先輩方と共に過ごした時のことが多く思い出されます。先輩方との思い出は私たち在校生だけではなく,先輩方の心の中にも残っているならば喜ばしい限りです。

 現在,徳之島高校では,1,2年生で「Let's think」という学校をよりよくするための一つの提言を掲げています。これには徳之島高校のため,皆のため,そして自分のために,「考える」という意味が込められていますが,先輩方が当たり前に行ってきた「考える」ということがいかに難しいか日々実感しています。先輩方の姿を手本としながら私たち在校生は,これからの徳之島高校を作っていきます。そして,時には優しく,時には厳しく常にリードしてくださった先輩方は,いつまでも私たちの心の支えであり,徳之島高校の誇りです。徳之島高校を旅立たれてからも,新天地での新しい生活の中でも「徳高プライド」を忘れないでください。そして時には,懐かしい母校を訪れ,元気な姿を見せてください。再び会える日を楽しみにしています。私たち在校生は,先輩方が築き上げてこられた素晴らしい伝統を受け継ぎ,これからも精一杯精進してまいります。

 最後になりましたが,卒業生の皆様のご活躍とご健康をお祈りし,送辞といたします。

 令和五年二月二十八日 在校生代表 太山 颯  

 

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