第15回卒業式 式辞

公開日 2023年03月01日(Wed)

式  辞

徳之島の春らしい暖かな風が心地よく感じられる今日の佳き日に 来賓並びに保護者の皆様方の御臨席を賜り 鹿児島県立徳之島高等学校第十五回卒業式を挙行できますことを 心から感謝申し上げます

卒業生の皆さん 卒業おめでとうございます 今その卒業証書を手にした皆さんはどんな思いでいることでしょうか 皆さんが本校に入学して以来 この日を迎えるまでには 保護者や友人をはじめ 地域の方々 諸先生方など 多くの方々の時には厳しく時には優しい愛情のこもった叱咤激励や御指導・御支援があったと思います 皆さんが関わった全ての人に対して改めて感謝の気持ちを抱き 自らの将来への糧としてください

また これからは本校同窓会である「結心会」の一員として 皆さんに続く後輩たちを温かく見守り支援して下さいますようお願いします 徳之島高校は皆さんの心の拠り所です 卒業後も時間のある時に母校を思いだし 尋ねて来てください

さて 新型コロナウイルスとの共存生活が続いている中にあって 皆さんはその時々で自分たちの置かれた状況を正しく理解し 文化祭や体育祭などの学校行事もその時にできる最大限の努力をもって成功に導いてくれました 特に 修学旅行は実施時期や旅行先の変更を余儀なくされたにも関わらず 発想の転換を図って学び楽しんでくれたことは 校長として本当に誇らしく思っています

私は 昨年度に続き今年度も当初から全校生徒に対して『時を守り 場を清め 礼を正す』を念頭に学校生活を送り 『生きる力』即ち『お金を稼いで自分で飯を食う力』を身に付けられるように努力していこうと話をしてきました そして その『生きる力』を育成する鍵は 情報の収集・発信力だということも話をしてきました

皆さんが生きていくこれからの世界は コロナ禍だけでなく ロシアによる一方的なウクライナ軍事侵攻など 不確実性と不透明性が一層増してきています 過去の教訓は参考となるものの 前例踏襲は全く通用せず 直面する課題に対して必ず解決してみせるぞという強靱な意志と革新的思考をもって対処する時代に間違いなく突入しています 自分が生きていく上で必要となる情報は何なのか その情報をどう活用すれば生きていけるのかという気持ちを常に持っていてほしい それが『生きる力』の源になると私は考えています 自らのビジョンを持ち 試行錯誤と分析を繰り返し より良い解決策・改善策を考え続けていきましょう そして 皆さん自身が幸せと思える人生を送れるように願っています

保護者の皆様 この日までお子様に関することで思い悩まれたことなどあったかとは思いますが 今卒業を迎えられたお子様は三年前より心身共に逞しく成長しています お子様の御卒業を心からお慶び申し上げます また これまで本校の教育活動に御理解と御協力をいただきましたことに対しても厚く御礼申し上げます 私ども職員一同は、徳之島高校の使命を肝に銘じ 一生懸命教育に取り組んで参りましたが 御期待に添えなかった点もあったのではないかと思います しかし この徳之島高校で学んだ年月は 今後も必ずや人生の糧となり お子様に勇気を与えてくれるものであると確信しております 蔵越の学び舎を巣立つ若者の未来を 保護者の皆様と共に楽しみに見守っていきたいと思っています

卒業生の皆さん 皆さんの故郷徳之島は世界自然遺産への登録を終え 今後日本のみならず世界から注目が集まることになります 卒業後どの土地で過ごすことになっても 世界に誇れる故郷を持っていることを忘れず 自他の命と安全と健康を最優先に考えて過ごしてください

前途洋々たる皆さんの人生が 幸多きものとなるよう祈り 式辞といたします

令和五年二月二十八日  鹿児島県立徳之島高等学校 校長  玉利 博文